メールや報告書を書いたあと、「誤字が残っていないか」「敬語が不自然ではないか」「相手に伝わりやすい文章になっているか」と不安になることはありませんか。
自分で書いた文章は、内容を知っているため、読み返しても間違いや分かりにくさを見落としやすいものです。
ChatGPTを使えば、文章の意味をできるだけ保ちながら、誤字、表記のばらつき、不自然な敬語、長すぎる表現などを確認できます。修正版だけでなく、変更箇所と理由も出力させると、自分で採用する修正を判断しやすくなります。
この記事では、文章を安全に入力する準備、コピペ用の文章校正プロンプト、使用例、校正結果を確認するポイントを初心者向けに解説します。
この記事の結論
文章の目的、読み手、希望する文体、変更してはいけない情報を指定すると、ChatGPTで校正案を作れます。修正前後と理由を比較し、日付、数値、固有名詞、業務上の事実は必ず人が確認しましょう。
ChatGPTを使った文章校正で確認できること
ChatGPTは、文章の下書きを確認するときに次のような作業を支援できます。
- 誤字や脱字の候補を見つける
- 「です・ます調」と「だ・である調」の混在を整える
- 漢字とひらがななど、表記のばらつきを整理する
- 不自然な敬語や回りくどい表現を見直す
- 一文が長すぎる箇所を分ける
- 同じ言葉の繰り返しを減らす
- 読み手と目的に合った文体へ調整する
ただし、文章が自然になっても、記載されている内容が事実とは限りません。正しい日付、数値、製品名、契約条件、社内ルールなどは、ChatGPTではなく元の資料と担当者が確認します。
校正・校閲・推敲の違い
文章を見直す作業には、校正、校閲、推敲という言葉があります。厳密な使い分けは業界や職場によって異なる場合がありますが、この記事では次のように整理します。
| 作業 | 主な確認内容 | 例 |
|---|---|---|
| 校正 | 誤字、脱字、表記、文法 | 漢字の間違い、表記のばらつき |
| 校閲 | 事実関係、矛盾、内容の妥当性 | 日付や数値が資料と一致しているか |
| 推敲 | 読みやすさ、伝わり方、表現 | 長い文章を短く分ける |
ChatGPTは3つの作業を補助できますが、この記事の基本プロンプトでは、誤字や表記だけでなく、敬語と読みやすさも含めた広い意味での「文章校正」を扱います。
文章を貼り付ける前に確認すること
業務で作成した文章には、会社名、個人名、顧客情報、契約金額、未公開情報などが含まれる場合があります。ChatGPTへ入力する前に、会社の生成AI利用ルールを確認してください。
- 会社が生成AIの利用を認めているか
- 個人用アカウントを業務で使用できるか
- 入力できない情報が指定されていないか
- 会社指定の生成AIサービスがないか
- 出力内容の確認や承認が必要か
入力が認められている場合でも、校正に必要のない個人情報や機密情報は削除または置き換えます。
| 元の情報 | 置き換え例 |
|---|---|
| 株式会社〇〇 | 取引先A |
| 山田太郎 | 担当者A |
| 新製品AB-123 | 製品X |
| 契約金額100万円 | 契約金額A |
| メールアドレス・電話番号 | 削除する |
| ID・パスワード・限定URL | 入力しない |
個人向けChatGPTでは、設定によって会話内容がモデル改善に使われる場合があります。「設定」から「データコントロール」を開き、「すべての人のためにモデルを改善する」をオフにすると、新しい会話をモデル改善へ使用しない設定にできます。詳しくは、OpenAI公式のData Controls FAQを確認してください。
データ設定を変更しても、会社のルールが優先です。
設定の変更は、機密情報を自由に入力してよいという意味ではありません。勤務先が定めた情報管理ルールを守り、入力が認められた文章だけを使用してください。
ChatGPTで文章を校正する6ステップ
- 校正前の原文を別の場所へ保存する
- 文章の目的、読み手、希望する文体を整理する
- 個人情報や機密情報を削除・置換する
- 原文と条件をプロンプトへ入力する
- 原文、修正版、変更理由を比較する
- 事実と意図を確認し、採用する修正を自分で決める
原文を残しておくと、ChatGPTの修正によって意味が変わっていないか確認できます。上書きする前に、必ず修正前の文章を保存しておきましょう。
コピペで使える文章校正プロンプト
次のプロンプトをすべてコピーし、角かっこ内と校正したい文章を自分の用途に合わせて置き換えてください。
使い方
原文を別の場所へ保存してから、下のプロンプトへ匿名化した文章を入力し、ChatGPTへ送信してください。
#役割
あなたは、会社員向けのビジネス文書を校正する担当者です。
#命令
以下の文章について、意味と事実関係をできるだけ変えずに、誤字、脱字、表記、文法、敬語、読みやすさを確認し、修正版を作成してください。
#文脈
・文章の種類:[メール/報告書/議事録/企画書/案内文など]
・文章の目的:[何を伝える文章か]
・読み手:[取引先/上司/同僚/顧客など]
・希望する文体:[丁寧/簡潔/柔らかい/社外向けなど]
・変更してはいけない表現:[製品名、専門用語、定型文など。なければ「なし」]
#入力情報
以下に、個人情報や機密情報を削除・置換した校正対象の文章を入力します。
[ここに校正したい文章を貼り付けてください]
#出力形式
次の順番で出力してください。
1. 校正後の文章
2. 変更箇所の一覧表
・修正前
・修正後
・修正理由
・修正の種類
3. 意味が変わる可能性がある修正
4. 人が確認すべき情報
#制約条件
・入力情報にない事実、日付、数値、固有名詞を追加しない
・日付、数値、金額、型番、固有名詞を勝手に変更しない
・文章の結論や依頼内容を変更しない
・判断できない専門用語は修正せず「要確認」とする
・修正が必須ではない表現は「提案」として示す
・修正前後で意味が変わる可能性がある場合は、その理由を明記する
・原文の内容が正しいかどうかは断定しない
・校正結果を使用する前に人が確認できる形で出力する
修正版だけでなく、変更理由も出力させる
修正版だけを見ると、どこが変わったのか分かりにくくなります。変更箇所と理由を一覧にすることで、修正を採用するか自分で判断しやすくなります。
文章校正プロンプトの使用例
ここでは、社内の関係者へ資料確認を依頼する文章を例にします。
校正前の文章
先日の会議で決まった内容について、資料を確認して下さい。問題なければ8月20日までに返事をお願いします。尚、対応が難しい場合は早めに連絡して下さい。
校正後の文章例
先日の会議で決定した内容について、資料をご確認ください。問題がなければ、8月20日までにご返信をお願いいたします。なお、ご対応が難しい場合は、早めにご連絡ください。
変更箇所の例
| 修正前 | 修正後 | 主な理由 |
|---|---|---|
| 決まった | 決定した | 業務文書向けの表現へ調整 |
| 確認して下さい | ご確認ください | 敬語と表記を調整 |
| 返事 | ご返信 | 依頼内容を具体化 |
| 尚 | なお | 補足を示す接続詞の表記を調整 |
| 連絡して下さい | ご連絡ください | 敬語と表記を調整 |
この修正例が、すべての会社や文章における唯一の正解というわけではありません。職場の表記ルール、相手との関係、普段の文体によっては、原文の表現を残したほうが自然な場合もあります。
目的別に使える追加指示
基本プロンプトの結果に続けて追加指示を送ると、目的に合わせて調整できます。
誤字と脱字だけを確認したい場合
文章の意味、語順、文体は変更せず、明らかな誤字、脱字、入力ミスだけを確認してください。
敬語を確認したい場合
取引先向けの文章として、敬語の不足、過剰な敬語、不自然な表現を確認してください。意味を変えず、修正理由も示してください。
文章を短くしたい場合
結論、日付、数値、依頼内容を残し、重複表現を減らして全体を300文字以内にしてください。
専門用語を残したい場合
専門用語、製品名、型番は変更せず、それ以外の文章だけを読みやすくしてください。判断できない用語は「要確認」としてください。
表記を統一したい場合
「です・ます調」に統一し、数字は半角、英字は半角にしてください。表記を変更した箇所を一覧にしてください。
校正結果を確認するときのチェックリスト
ChatGPTは、読みやすい文章を作っても、修正が常に適切とは限りません。OpenAIも、ChatGPTが誤った内容や誤解を招く回答を生成する場合があるため、重要な情報を確認するよう案内しています。詳しくは、OpenAI公式の正確性に関する説明を確認できます。
- 原文の結論や依頼内容が変わっていないか
- 日付、数値、金額、型番が原文と一致しているか
- 固有名詞や専門用語が勝手に変更されていないか
- 否定と肯定が入れ替わっていないか
- 確定事項と予定が混同されていないか
- 相手との関係に合う敬語になっているか
- 職場の表記ルールや定型文に合っているか
- 匿名化した情報を必要な範囲で元に戻したか
- 共有してはいけない情報が残っていないか
文章が自然でも、内容が正しいとは限りません。
校正された文章は説得力があるように見えることがあります。日付、数値、契約条件、法令、技術仕様など、誤りが業務へ影響する情報は、信頼できる元資料と担当者が確認してください。
ChatGPTで文章を校正するときによくある質問
文章をそのまま貼り付けてもよいですか?
個人情報や機密情報を含まない文章で、会社のルール上も入力が認められている場合に限ります。業務文書は、必要のない固有名詞や連絡先などを削除・置換してから使用してください。
長い文章も一度に校正できますか?
長い文章を一度に校正すると、変更箇所の確認が難しくなる場合があります。見出しや章ごとに分け、同じ校正条件を使用すると比較しやすくなります。最後に、全体の文体と用語が統一されているか確認してください。
ChatGPTで事実確認もできますか?
校正プロンプトだけで、文章内の事実が正しいとは確認できません。日付、数値、引用、規格、法令、契約条件などは、原本や公式情報と照合してください。
修正案をすべて採用したほうがよいですか?
すべて採用する必要はありません。元の表現のほうが意図に合う場合や、職場の定型文を優先すべき場合があります。変更理由を確認し、採用する修正を自分で選びましょう。
まとめ
ChatGPTを使うと、誤字、表記、敬語、読みやすさを確認し、文章の修正案を作れます。
- 校正前の原文を保存する
- 文章の目的、読み手、文体を指定する
- 個人情報や機密情報を削除・置換する
- 修正版だけでなく変更箇所と理由も出力させる
- 日付、数値、固有名詞、事実を元資料と照合する
- 採用する修正を人が判断する
ChatGPTに文章の最終判断を任せるのではなく、自分で確認するための校正案を作る道具として使うことが大切です。まずは機密情報を含まない短い文章で試してみてください。
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