会議が終わったあと、「メモは取ったものの、議事録としてどう整理すればよいか分からない」「決定事項や担当者を確認するのに時間がかかる」と困ることはありませんか。
ChatGPTを使えば、箇条書きの会議メモから、議題、決定事項、未決事項、ToDoを整理した議事録の下書きを作れます。最初から文章を組み立てる負担を減らし、確認作業に時間を使いやすくなります。
ただし、ChatGPTが会議の内容を正しく理解しているとは限りません。入力していない内容を補ったり、担当者や期限を取り違えたりする可能性があるため、元のメモとの照合が必要です。
この記事では、会議メモを安全に整理する方法、コピペ用の議事録プロンプト、出力例、確認すべき項目を初心者向けに解説します。
この記事の結論
会議メモを匿名化し、議事録の目的と出力項目を指定すると、ChatGPTで議事録の下書きを作れます。決定事項、担当者、期限、数値は元のメモと照合し、必ず人が確認してから共有しましょう。
ChatGPTで議事録作成を効率化できる部分
ChatGPTは、会議メモを読みやすい形へ整理する作業を支援できます。
- 会議の概要を短くまとめる
- 議題ごとに発言や結論を整理する
- 決定事項と未決事項を分ける
- 担当者と期限を含むToDoを一覧にする
- 長い文章を簡潔な表現へ直す
- 不足している情報を「要確認」として示す
一方で、誰の発言が正しいか、決定が正式に承認されたか、記載されていない期限がいつかを自動的に判断できるわけではありません。
ChatGPTは議事録を完成させる担当者ではなく、下書きと整理を手伝う補助役として使用します。
ChatGPTへ入力する前に会社のルールを確認する
会議メモには、個人情報、顧客情報、未公開の製品情報、売上、契約条件などが含まれる場合があります。最初に、勤務先で生成AIの利用が認められているか、どの情報を入力できるかを確認してください。
会社が指定する生成AIサービスや法人向けアカウントがある場合は、そのルールを優先します。個人用アカウントの使用が禁止されている場合は、この記事のプロンプトを業務情報に使用しないでください。
個人向けChatGPTでは、設定によって会話内容がモデル改善に使われる場合があります。「設定」から「データコントロール」を開き、「すべての人のためにモデルを改善する」をオフにすると、新しい会話をモデルの改善に使用しない設定へ変更できます。詳しくは、OpenAI公式のData Controls FAQを確認してください。
設定を変更しても、業務情報を自由に入力してよいわけではありません。
データ設定と会社の情報管理ルールは別のものです。会社のルールを守り、入力が認められた情報だけを使用してください。
会議メモから個人情報や機密情報を取り除く
入力が認められている場合でも、議事録作成に不要な情報は削除または置き換えます。
| 元の情報 | 置き換え例 |
|---|---|
| 会社名・部署名 | 取引先A・開発部門 |
| 個人名 | 担当者A・参加者B |
| 製品名・開発コード | 製品X・案件Y |
| 具体的な金額 | 金額A・予算上限 |
| 顧客番号・社員番号 | 削除する |
| メールアドレス・電話番号 | 削除する |
| ID・パスワード・限定URL | 入力しない |
置き換えた情報は、ChatGPTの回答を確認したあと、社内の正式な議事録上で必要な範囲だけ元に戻します。
会議を録音して文字起こしする場合は、録音の可否、参加者への案内、音声データの保存方法についても会社のルールを確認してください。この記事では、録音データではなく、自分で整理したテキスト形式の会議メモを使用します。
議事録を作る前に整理する6つの情報
会議メモだけを貼り付けるより、次の情報を加えると出力形式が安定しやすくなります。
1. 会議名と目的
定例会議、進捗確認、顧客との打ち合わせなど、会議の種類と目的を伝えます。
2. 日時と参加者
日時と参加者を記載します。個人名を入力できない場合は、役割名や仮名へ置き換えます。
3. 議題
何について話した会議なのかを、議題ごとに分けます。
4. 確認済みの事実
進捗、結果、数値など、会議中に確認できた事実を箇条書きにします。
5. 決定事項と未決事項
決まったことと、結論が出ていないことを分けて入力します。区別できない場合は「要確認」と記載します。
6. ToDo・担当者・期限
次に実施する作業、担当者、期限をセットで整理します。担当者や期限が決まっていない場合は、空欄を推測で埋めず「未定」とします。
ChatGPTで議事録を作る6ステップ
- 会社の生成AI利用ルールを確認する
- 会議メモから不要な個人情報や機密情報を削除・置換する
- 会議の目的、決定事項、ToDoを整理する
- 会議メモと条件をプロンプトへ入力する
- 出力された議事録を元のメモと照合する
- 必要な承認を受けてから関係者へ共有する
それでは、実際に使用するプロンプトを紹介します。
コピペで使える議事録作成プロンプト
次のプロンプトをコピーし、角かっこ内と会議メモを自分の状況に合わせて置き換えてください。
使い方
下のプロンプトをすべてコピーし、角かっこ内と会議メモを置き換えてChatGPTへ送信してください。
#役割
あなたは、社内会議の内容を正確かつ簡潔に整理する議事録作成担当者です。
#命令
以下の会議情報と会議メモをもとに、参加していない人でも決定事項と次の行動を理解できる議事録の下書きを作成してください。
#文脈
・会議名:[会議名]
・会議の目的:[進捗確認/方針決定/情報共有など]
・日時:[日時]
・参加者:[個人情報を削除・置換した参加者名または役割]
・読み手:[参加者/上司/関係部署など]
#入力情報
以下に、個人情報や機密情報を削除・置換した会議メモを入力します。
[ここに会議メモを貼り付けてください]
#出力形式
次の順番で作成してください。
1. 会議概要
2. 議題
3. 議論の要点
4. 決定事項
5. 未決事項・確認事項
6. ToDo一覧
・作業内容
・担当者
・期限
7. 次回会議までに確認すること
#制約条件
・入力情報にない発言、結論、担当者、期限、数値を追加しない
・事実と意見を分けて記載する
・決定事項と提案段階の内容を混同しない
・担当者または期限が不明な場合は「要確認」と記載する
・重複する内容はまとめる
・簡潔な「です・ます調」で書く
・重要な数値、日付、固有名詞は太字にせず、そのまま記載する
・不明点がある場合は、最後に「確認が必要な点」として列挙する
・議事録を共有する前に人が確認できる下書きとして出力する
「#役割」「#命令」などは何のために使う?
長い指示を項目ごとに分け、入力内容を見やすくするための見出しです。ChatGPTだけが理解できる特別な記号ではありません。
議事録プロンプトの入力例
ここでは、社内の進捗確認会議を例にします。会社名、製品名、個人名は仮の表現へ置き換えています。
入力例:進捗確認会議
- 会議名:案件X 進捗確認会議
- 目的:試作品の進捗確認と次回評価の日程決定
- 日時:8月14日 10時から11時
- 参加者:開発担当A、評価担当B、調達担当C
- 試作品は3台完成。1台で起動時にエラーを確認
- エラー原因は調査中。現時点では部品不良と断定できない
- 正常な2台で先に評価を開始することを決定
- 開発担当Aが8月18日までにエラー原因を調査
- 評価担当Bが8月19日から正常品2台の評価を開始
- 追加部品の発注要否は原因確認後に決める
- 次回会議の日程は未定
出力される議事録のイメージ
会議概要
案件Xの試作品の進捗と、次回評価の進め方を確認しました。試作品3台のうち1台で起動時のエラーが発生しているため、正常な2台で先に評価を開始します。
決定事項
- 正常な試作品2台を使用して評価を開始する
- 追加部品の発注要否は、エラー原因の確認後に判断する
未決事項・確認事項
- 起動時エラーの原因
- 追加部品の発注要否
- 次回会議の日程
ToDo
| 作業内容 | 担当者 | 期限 |
|---|---|---|
| 起動時エラーの原因調査 | 開発担当A | 8月18日 |
| 正常品2台の評価開始 | 評価担当B | 8月19日 |
| 追加部品の発注要否を判断 | 要確認 | 原因確認後 |
このように、議論の要点だけでなく、決定事項と次に行う作業を分けると、会議後の行動が分かりやすくなります。
目的に合わせて使える追加指示
最初の回答が用途に合わない場合は、プロンプト全体を入力し直さず、回答に続けて追加指示を送ります。
上司向けに短くまとめたい場合
決定事項、未決事項、ToDoを残し、全体を500文字以内にまとめてください。
担当者別にToDoを整理したい場合
ToDoを担当者別に並べ替え、作業内容と期限を表にしてください。不明な担当者や期限は「要確認」としてください。
正式決定と提案を分けたい場合
正式に決定した内容と、会議中に出た提案を分けて整理してください。判断できない内容は「区分要確認」としてください。
欠席者向けに背景を加えたい場合
入力情報の範囲内で、会議に参加していない人にも経緯が分かるように、冒頭へ背景と結論を追加してください。
ChatGPTが作った議事録の確認ポイント
ChatGPTは自然な文章を作れても、内容が常に正しいとは限りません。OpenAIも、ChatGPTが誤った内容や誤解を招く内容を出力する場合があると説明しています。重要な情報は、必ず元の資料と照合してください。詳しくは、OpenAI公式の正確性に関する説明を確認できます。
共有前に、次の項目をまとめて確認します。
- 会議名、日時、参加者が正しいか
- 発言者と発言内容が入れ替わっていないか
- 提案を決定事項として記載していないか
- 決定事項が抜けていないか
- 担当者、期限、日付、数量、金額が正しいか
- 「要確認」の項目を確認したか
- 匿名化した表現を必要な範囲で元に戻したか
- 共有してはいけない情報が残っていないか
- 社内の書式や承認手順に合っているか
議事録をそのまま共有しないでください。
特に、決定事項、担当者、期限、金額、顧客との約束は、誤りが業務へ影響する可能性があります。元のメモや会議資料と照合し、必要に応じて参加者や上司の確認を受けてください。
ChatGPTで議事録を作るときによくある質問
会議メモが短くても作れますか?
短いメモからでも下書きは作れます。ただし、入力されていない内容は確認できません。情報が不足している場合は、ChatGPTに推測させず、「確認が必要な点」を出力させましょう。
音声ファイルをそのまま使えますか?
利用できる機能は、契約プラン、端末、会社の設定などによって異なります。また、文字起こしには聞き間違いが含まれる可能性があります。まずは会社のルールと録音の可否を確認し、文字起こし結果も人が見直してください。
ChatGPTの回答をそのまま社内へ送ってもよいですか?
おすすめしません。日時、数値、決定事項、担当者、期限を元のメモと照合し、社内の書式や承認手順に合わせて修正してから共有してください。
まとめ
ChatGPTを使うと、箇条書きの会議メモから、決定事項、未決事項、ToDoを整理した議事録の下書きを作れます。
- 最初に会社の生成AI利用ルールを確認する
- 個人情報や機密情報を削除・置換する
- 決定事項と未決事項を分けて入力する
- ToDo、担当者、期限をセットで整理する
- 出力された内容を元のメモと照合する
- 人が確認してから関係者へ共有する
会議後の文章作成をすべて任せるのではなく、情報を整理する補助役として使うことが大切です。まずは機密情報を含まない練習用の会議メモで試してみてください。
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